いろは組の本年度事業計画が決まり、最初の事業の剪定講習会を開催しましたので、概要をお知らせします

平成24年度 剪定講習会(お浜御殿)を開催しました。

日 時 平成24年7月15日(日) 9:00~12:00
場 所 井伊家松原下屋敷(彦根市松原町515番地)
主 催 いろは組と滋賀県造園協会北地区の共催
参加者 13名の参加がありました

講 師 技術指導講師 山中功氏 (大和郡山市・山中造園)
文化財庭園保存技術者協議会正会員

庭園学講師  仲 隆裕氏(京都造形芸術大学教授)

九州・西日本を中心に大雨警報が解除された直後の、日中29℃の蒸し暑い中、いろは組・滋賀県造園協会北地区会員が、剪定技術向上を目的に、剪定講習会を開催しました。

まず、彦根藩松原下屋敷ですが、彦根市民は、ここを「お浜御殿」と言って親しんでいます。このお浜御殿には、名勝指定を受けたお浜御殿の庭園があります。

この庭園の中央には、池があり、地元の者は、ごくごく自然に知っていますが、琵琶湖の水位と連動しています。江戸時代には、内湖からの水を取り込み、琵琶湖に注がれていました。専門的には、琵琶湖の水位と連動して波打ちぎわが変化する汐入(しおいり)形式で、淡水を利用したものとしては日本唯一の庭園です。

今回の講習会の目的

地域の宝を、地域の専門業者や地元民が、保存していくことが出来ることを夢見て、今回の講習会で、業者それぞれの技術を向上させることはもちろん、名勝庭園であり、文化財としての庭園を保存管理することは、「庭園管理の技術の統一」が必要不可欠であり、そのことの意識向上を目的に開催いたしました。

今年の剪定講習会の手法

文化財の保存管理的側面から、今回は、文化庁が助言されています文化財庭園保存技術者協議会の正会員でおられ、数々の名勝庭園の管理に精通されておられます 山中功氏(大和郡山市 山中造園)を講師に迎え、「手の統一」の実践的剪定について、実践を通じた解説で講習をしていただきました。

昨年の講習会との違い

昨年は、一般参加の方がおられましたが、今年はいろは組員と北地区所属業者のプロの方たちばかりなので、一本一本の樹種についての剪定技術の実践と解説ではなく、奥座敷棟から見える庭園を文化財視点に立って剪定管理することを主眼に講習会を開催しました。

では、当日の画像を見ながら、講習会の様子をご紹介します。

いろは組川窪代表のあいさつで剪定講習会がはじまりました

お浜御殿庭園の紹介

仲隆弘教授から、お浜御殿の紹介と、土地建物の取得状況および今後の整備計画・方針についての解説をしていただきました。

彦根市文化財課の学習シートによる解説

つづいて、山中先生のご指導で、奥座敷棟の縁に参加者全員が集合し、面前にあります庭園の樹木管理について、参加者の意見を聞き、どの樹種をどの程度まで剪定することで、庭園の見え方がどのように変化するかについて、聞き取りをされ、他の参加者の意見も聞き、今後の管理方法を決めたのち、全体の変化のイメージを全員が意識しながら、剪定を行いました。

本日の講師 山中功氏

奥座敷棟付近の庭は、手入れがされず、結果として、高木に光が遮られ、中低木は、枯れが目立ち、下草が繁茂し、築山の景線が特徴のお浜御殿なのに、景線が見えない庭になっていましたので、樹木の足元を見せ、景線を見せるとともに、中低木に光が入るよう高木の枝を整理しました。

松原下屋敷絵図
参加者ひとりひとり、庭園管理者としての「庭師」になりきり、どの樹種をどのような考えから、どこまで剪定するかを発表しました

繁茂著しい、建物前のアセビの枝を抜き、実生のナンテンを除きました。

繁茂しすぎて後ろの景色が見えない状態
足元を整理し、全体を小さく仕立て直した
今の時期なら強剪定OK、ただし、光が差し込むこと

手水鉢付近の蔓が繁茂し、石組が見えない状態のものを、蔓を整理し、サツキを小さく整え、石の存在を表示しました。

蔓の整理を行い、手水鉢下の石が目立つようサツキを小さく仕立てました

庭園奥への景線を浮かび上がらせるために、手前の垂れ下がったモミジを整理し、ツツジを強く剪定することで、樹木があっても、奥の景観を見せ、奥行きのある庭園鑑賞を可能にしました。

築山の頂上を占用していたツヅジを少し我慢してもらい、大きく垂れ下がり奥の景観わ遮断していたモミジを整理します
剪定後 違いがわかりますでしょうか

奥座敷棟内部からの庭園鑑賞の妨げとなる、建物直前のクロガネモチを強く整理し、奥の景観を確保するとともに、光の取り込みを可能としました。

手入れがなされず自由に成長していたクロガネモチを整理します
山中先生から外す一枝一枝の指示が下からあり、それを受けて参加者が作業を行います
参加者は、除々に外す枝が理解できました → 技術の伝承です
プロの剪定がわかりますでしょうか

マツは、何らかの事情で、途中からカットされていただめ、今ある枝を大事に、将来の枝を想定した弱剪定を行うとともに、光が取り込めるようマツ上の樹木枝を整理しました。

枝の重みでの折れを防止する程度の剪定とします
一枝の切る箇所についても、山中先生から指示がでます (なぜ、ここで落とすかの説明を行います)
奥の樹木の枝を落としました    これは、マツの剪定により弱ることを防止するため、光を取り込めるよう光を遮る枝をばずしたものです

奥座敷等の奥にある蔵にかかるクルミの枝を整枝剪定し、建物への侵入防止と光の取り込みを行いました。

水面近くにあり、庭園への光を遮断していたクロガネモチ2本立ちを1本立ちとし、樹高を極端に抑えました 違いがわかりますでしょうか

剪定前
作業中(ユーチューブに掲載希望できたが、HP掲載です)
光の入り方に注目してください

参加者相互でも、どの箇所での剪定が妥当かとの協議が自然発生していました。

剪定箇所の協議を参加者で行っています

最後に、山中先生による剪定講習の講評をいただきました 半日の作業ではありましたが、内容が濃い講習会ができたとの言葉をいただきました。

庭園全体のバランスによる剪定について講評をいただきました

以上、奥座敷等から見える庭園管理を目的に、小空間の庭園管理の実践剪定をおこないました。

非常に暑い中での作業ではありましたが、参加者は技術講習でのスキル向上を目指してがんばりました。

古くからお浜御殿は知っていますが、これほど水位が高い状態は見たことがありませんでした。

本日の剪定講習会に参加された方です。
尾崎、橋本、高木、奥川、大西、川窪、山口、古川、集治、森口、小川氏(敬称略、参加者名簿より)
剪定草等は、太く長いままだと処理してもらえないことから、力を合わせ、小さく整理しました。

いろは組では、「後始末」を重点的課題に位置づけ、真剣に取り組んでいます。

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