彦根藩善利組足軽屋敷「中居邸」で剪定講習会・庭園管理講演会を開催しました。
平成26年8月31日に彦根市芹橋2丁目にあります彦根市指定文化財の旧彦根藩善利組足軽屋敷の2つの足軽屋敷庭園で、剪定講習会と庭園管理講演会を開催しました。
剪定講習会は、庭園内の樹種を決めて、講師から剪定方法を説明し、参加者に実際に剪定をしていただきます。また、庭園管理講演会は、講師から当該庭園の見方や剪定前の状況を説明され、次に、面前にある剪定後の庭園とを比較することで、庭園全体の管理方法や庭園の目指すべき管理について講演をいたします。
中居邸での剪定講習会
今回剪定講習を行う樹種は、ウメです。
庭園のほほ中央に位置するウメは、後ろの樹木を抑え上へ上へと伸びています。剪定講習会では、参加の方に、枝の必要性について説明し、実際に枝の剪定前後の状態を見比べていただきました。


お分かりいただけましたか? 次年度にこの枝のあるなしで、後ろの樹木をこのウメの枝が止めてしまうのです。


中居邸での庭園管理講演会


中居邸庭園の特徴は、座敷から庭園は左右に広く、奥行きは浅い作りとなっている。
奥行きを深く見せるために、手前の樹木の高さを押さえ、奥の樹木は徐々に上げる。左右の広さを感じるよう、前面樹木の枝数を減らし気味に、前面樹木の葉間から後ろの樹木が見えるようしつらえることの必要性を説明しました。



強剪定前

強剪定後


庭園管理に関する提案
まず、基本の除草活動は、可能な限りまめに実施、スギの剪定を行い、樹間から杉板塀、社が見える剪定を行う。つづいて、庭園中央にある樹木の樹高を抑えることで、奥の垣根が存在意義を醸し出すこととなる。
樹種を減少させたり、強剪定により、庭園全体にスッキリ感を出すことが出来、同時に、通常管理の手間が抑えられます。
次回は、9月21日に服部邸で講習会と庭園管理講演会を実施する予定です。多数の方の参加をお待ちしています。